(こうかんかち、value in exchange,exchange value)とは、古典派経済学およびマルクス経済学の概念で、ある商品の使用価値がその他の商品の使用価値と交換される場合の比率を指す。あらゆる生産物は使用価値を持っているが、それは交換されなければ主観的な使用価値に過ぎない。しかし交換されその生産物は商品となった時、すなわち交換の過程で、より客観的な価値としての交換価値がその商品に与えられることとなる(貨幣経済においては価格として表現されるのは交換価値であるが、ここでは貨幣経済が成立していないと仮定する)すなわち商品の交換価値はその他の種類の商品と物々交換される差異の量的な比率に表現できる。その方程式はA商品x量=B商品y量のようにあらわすことができる。
(しようかち、value in use, use-value)とは、物の持つさまざまなニーズを満たすことができる有用性を指す。マルクス経済学の価値論の概念の一つである。この使用価値は商品によって異なり、それぞれ異なる目的と手段を以って商品を作る労働を具体的有用労働と呼ぶ。使用価値を持つ物が必ずしも商品であるとは限らない。例えば、水、空気などは重要な使用価値を持つが、労働によって作られたわけではないので交換価値 を持たず、したがって商品ではない。また、店で売られている卵は使用価値を持つし、商品でもあるが、その卵でスクランブルエッグを作って自分で食べた場合、スクランブルエッグは交換価値を持つけれども、交換されないため、商品であるとは言えない。だが、使用価値がない不要物には価値は生まれず、他の生産物との交換も成立しないことから商品とはなりえない。使用価値は交換価値の前提条件であるが、十分条件ではない。